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トレーニング計画ーいつ、なんのトレーニングを行うかー

「期分け」とは

今回はテニス選手のトレーニングの「期分け」について解説していきます。

期分けって…?聞きなれない言葉かもしれませんが、もしかしたら無意識に皆さんも行っているかもしれません。

例えば一ヶ月後のテストに向けて、基礎を勉強して定着させた後、応用問題に取り組み、そして本番の問題を予測して予想問題を作って取り組む…といったテストという目標に向けての一連の作業を段階的に行うこと。社内プレゼンに必要な事柄を整理して、スライドを作った後、本番に近い状況設定(時間・空間)で練習するといった発表に向けての一連の作業を、段階的に行なっていくこと…など、他にも様々あると思いますが、本番に向けてやるべきことを段階的に調整することを言います。無論、トレーニングも例外ではありません!

 

いわゆる育成ジュニアの選手たちは、目標とする試合に万全な状態で挑むためにトレーニングを段階的に行なっていく必要があります。これを間違ってしまうと、例えば試合直前に筋トレを一生懸命行なってしまい、当日筋肉痛で動けない…なんてことになってしまいます。トレーナーは、刺激に対する生理学的な身体応答の時間も逆算して考える必要があります。

試合のスケジュールは選手個人によって様々ですが、トレーニング計画の組み方として、試合が遠い時期から①準備期→②移行期→③試合期 と期を3つに分けて行なうのが基本の考え方で、これがトレーニング計画を「期分け」するということです。各期に行う内容は以下のようになります。

  •  目標とする試合まで一月半以上ある「準備期」

   筋肉量を増やす、基礎体力をつけるトレーニングを主に行う

  • 試合まで3週間位ある「移行期」

   力を発揮するトレーニングを主に行う

  • 試合直前の「試合期」

   テニスのスキルに近づける

 

こうした期分けは、まず体力を身につけ、その使い方を本番の試合に向けて調整していくという考え方に基づいています。しかしテニス選手のスケジュールは様々で、年間を通して試合がある場合がほとんどです。そのため準備期で基礎を作りたい時期でも、筋トレではなく動きづくりを重視することもあります。

特にプロ選手は海外を転戦しており、拠点でじっくりトレーニングを行える機会は少ないので、能力向上のためには各自の空き時間で取り組んでもらえるようトレーニング方法を身につけてもらうしかありません。個人のスケジュールで行動するテニス選手は自立して活動することが求められます。選手自身も「期分け」に対して、ある程度の知識を持っている必要があるのです。